先日、こんなお問い合わせをいただきました。
「妻がオゾン発生器の使い方もロクに調べず買って使っています。私もオゾン発生器のことはよく知りません。今はリビングに設置して使っているのですが、就寝時(誰もリビングにいない)には消したほうがいいのでしょうか?それとも常時つけっぱなしでも大丈夫なのでしょうか(お問い合わせまま)」
結論は「適用範囲を守ったうえで、それが家庭用オゾン発生器であれば問題なし」です。
オゾン発生器を購入したはいいが、つけっぱなしでいいのかどうかというお問い合わせがあまりにも多いので、ここで詳しく解説したいと思います。
まず、オゾン発生器には業務用と家庭用、主にこの2種類があり、オゾン発生量が異なることからその使い方も異なります。
用途 | オゾン発生量 | 使用環境 |
---|---|---|
業務用 | 30mg/hr 以上 | 無人環境 |
家庭用 | 0.5〜30mg/hr 未満 | 有人環境 |
表のとおり、まず大前提として、業務用はオゾン発生量が多量だから無人(ペット含む)で使ってくださいね。家庭用はオゾン発生量が少量なので人や動物がいる環境で使っても大丈夫ですからね、というものがあります。
業務用オゾン発生器をつけっぱなしにして大丈夫なのか
はい、まったく問題ありません。
もともと、業務用オゾン発生器は人や動物がいない環境で(作業中は)つけっぱなしで使用する機器です。
中には間欠運転(ON→OFFを繰り返す)の製品もありますが、基本的にはつけっぱなしで使用します。
業務用オゾン発生器を使用したオゾン脱臭・除菌作業はその臭気の度合いによって「作業前に◯◯分のオゾン放出、待機時間◯◯分」などと決めて行われるのが一般的なため、作業中はつけっぱなし(継続運転)で、作業が完了したら電源を切るというふうに使用します。
家庭用オゾン発生器をつけっぱなしにして大丈夫なのか
はい、まったく問題ありません。
もともと、家庭用オゾン発生器は人やペットがいる環境下で24時間常時稼働・つけっぱなしで使用することを想定してつくられています。加湿器や空気清浄機などの自動運転同様です。
だからこそ、オゾン発生量も少量で適切なオゾン濃度を保てるのです。
こうして業務用と家庭用に分けて考えてみましたが「結局、業務用も家庭用もつけっぱなしでいいのではないか」と思われたのではないでしょうか。
はい、そうなんです。
業務用も家庭用も基本はつけっぱなしでOKです。
では、どんなときにつけっぱなしではダメなのか、危険(の可能性)なのか次項で考えてみましょう。
つけっぱなしにしてはダメなケースを考えてみました。
業務用オゾン発生器を人やペットがいる環境で使う
そもそもつけっぱなし以前の話しです。業務用オゾン発生器は人やペットがいる環境で使用してはなりません。理由は先に説明したとおり、オゾン発生量が家庭用の比ではないからです。
家庭用オゾン発生器だが適用範囲を守っていない場合
家庭用オゾン発生器であれば無条件につけっぱなしで使用して100%安全性が確保されるわけではありません。例えば、適用範囲12畳のオゾン発生器を6畳のお部屋でつけっぱなしにして使用した場合、理論的にその空間のオゾン濃度は本来12畳で想定したオゾン濃度の2倍になります。
逆に、途中途中で電源をOFFにして運転時間を半分にすれば(理論上は)12畳で使用したときと近いオゾン濃度になります。
※これはそうした使い方を推奨しているのではなく、理論上はそうなります、というお話しです。
「適用範囲を守り、24時間常時稼働で人やペットがいる環境下で使用する」これが家庭用オゾン発生器本来の正しい使い方です。
安全かつ効果的にご利用いただくためにも、家庭用オゾン発生器は正しい使い方をするようにしましょう。
家庭用オゾン発生器だがバッテリー式の場合
コロナ以降、オゾン発生器の認知度も急激に高まり、オゾン発生器を購入される方も増えました。
その市場ニーズに伴い、家庭用オゾン発生器の製品もさまざまなものが発売されています。
そんな中、最近多いタイプはバッテリー式の家庭用オゾン発生器です。
特に小型の家庭用オゾン発生器はキャンプや車中で使いたいというニーズも高く、数年前と比較してバッテリー式の製品も増えてきた印象です。
小型のオゾン発生器は主にコードで電源供給するか、あるいは電池式のものが多いです。
コードは邪魔ですし、電池は毎回購入して買い替える手間や費用、また、常に電池の残量が気になるデメリットがあります。
そこで、バッテリー式の小型オゾン発生器!
コードも不要で、電池のように買い替えないで済みますし、たしかに、便利ではあるのですが、バッテリーの品質によってはオゾンの安全性や危険性などとは別にバッテリー自体に発火などのリスクがあることも事実です。
バッテリー式の家庭用オゾン発生器で1点だけ注意点です。
バッテリーを充電した状態でオゾン発生器をつけっぱなしで使用するのはおやめください。
バッテリーの負荷が大きくなり、熱暴走の原因になります。
オゾン発生器に限らず、例えばスマホを充電しながら操作している人も少なくありませんが、充電しながら使う行為は走りながらご飯を食べるようなもので、機器やバッテリーの寿命を縮める行為です。
- オゾン発生器をつけっぱなしにしていると熱くなるけど大丈夫ですか?
- 熱さの程度にもよりますが、あまり熱いようであれば熱暴走の可能性もあるため、メーカーに問い合わせをして確認することをおすすめします。特にそれがバッテリー式のオゾン発生器であればなおさら注意が必要です。
- 就寝時にオゾン発生器をつけっぱなしのままにしても平気?
- はい、それが家庭用オゾン発生器であり、なおかつ適用範囲を守って使用していることを前提に「問題ありません」という回答になります。本記事でも解説しましたが、家庭用オゾン発生器は加湿器や空気清浄機の自動運転と同様、基本は24時間常時稼働で使用する機器です。
- 何時間でもつけっぱなしにしていて問題ありませんか?
- はい、問題ありません。
- つけっぱなしにした場合の1日または1ヶ月の電気代目安は?
- 製品にもよりますが、24時間つけっぱなしだった場合の電気代は概ね1日1円または1円未満でしょう。電気代は「1時間あたりの消費電力(kW)×使用時間(時間)×料金単価(円/kWh)」の計算式で求められますので、お使いの製品の消費電力などをお調べになり計算したり、メーカーに問い合わせをすればより正確な電気代を知ることができます。
- オゾン発生器をつけっぱなしにしても犬や猫に何か影響はありませんか?
- 人間同様に問題ありません。
- オゾン発生器をつけっぱなしにしていると何か病気になったりしますか?
- 正しい使い方をしているという前提で、そういう報告は過去に1件もありませんのでご安心ください。
- オゾン発生器をつけっぱなしにしていたら喉が痛くなりました
- それが家庭用オゾン発生器であり、適用範囲を守ってお使いいただいている場合、その原因が家庭用オゾン発生器から放出されるオゾンである可能性は過去の事例や報告からきわめて低いと考えますが、可能性としてゼロではないでしょう。もしかしたらオゾンが合わないのかもしれないため、喉の痛みや頭痛がするのであればすぐに使用を中止することをおすすめします。
<最後に>
この記事を公開するにあたり、このお問い合わせをくださった方(記事冒頭の質問文)には掲載許可をいただいております。ご協力ありがとうございます。