オゾンの特徴

オゾンとは

ここでは、気体の「オゾン」について説明します。液体のオゾン水については「オゾン水の特徴」をご覧下さい。

脱臭や除菌、ウイルス不活化など、感染対策の現場では、アルコールや次亜塩素酸を利用した機器より、オゾンを利用したオゾン発生器が広く活用されています。その理由は、アルコール噴霧器や次亜塩素酸を利用した機器と比較すると、「オゾン発生器の方が脱臭・除菌・ウイルス不活化効果が高い」「残留性がなく安全である」「機器自体が(アルコール噴霧器や次亜塩素酸装置よりも)高額ではない」「機器として扱いやすく実用性が高い」などの点があげられます。

フッ素に次いで除菌力が高いとされ、残留性がなく安全のため厚生労働省からも食品添加物として認められているオゾンですが、皆さんはそのオゾンの特徴や効果について詳しくご存知でしょうか?
以下、オゾンの特徴やその脱臭・除菌・ウイルス不活化効果について分かりやすくまとめたいと思います。

オゾンとは

オゾンとは

オゾンは、オゾン層で生成され、大気を自浄する働き(消臭・除菌)をし、3つの酸素原子からなる酸素の同素体です。化学式はO3で、折れ線型の構造を持ち、私たちが吸っている空気の中にも微量ながら含まれ、低い濃度(0.005ppm程度)で存在しています。
※森林周辺等では0.01ppm程度とされています。

酸素原子「O(オー)」は、2つ(O2)だと安定した状態にありますが、これが3つになり、「O3」になると、その安定性は一転して、不安定で反応性が高い物質となります。反応後は、酸素に戻る性質があるため、残留物を出さず環境にやさしいきわめて安全な物質ということで、この特徴が消臭や除菌の現場で活用されています。

分子記号O3
分子量48
薄い青色(常温気温)
ニオイ特有臭気(本来は無臭)
沸点-111.9℃
融点-192.5℃
密度2.144kg/m3(0℃気体)

オゾンの知るべき5つの特徴

オゾンの知るべき5つの特徴

「オゾンとは」という少々退屈とも思えるコンテンツは前項までとして、ここからはおそらくこのページをお読みいただいている皆さんが「オゾンって、実際どうなのよ?」と、詳しく知りたい部分をズバッとお答えしたいと思います。
オゾンの知るべき特徴は、次の5つです。

【オゾンの特徴その①】除菌力の高さ

オゾンの除菌力は、フッ素に次ぐもので、塩素の6〜10倍程度だといわれています。
もともとオゾン発生器という機器は、宿泊施設や自動車関連業などを中心に消臭や除菌目的で使用されるシーンが大部分でした。ニオイのもとは往々にして雑菌の増殖が主な原因ですから、雑菌を確実に除菌することによって、悪臭も抑制され、それが脱臭につながります。2020年に入ってからというもの新型コロナウイルスの影響で感染対策目的において、オゾン発生器の需要が急拡大しました。
感染対策目的でウイルスを不活化(感染性を失わせること)することは、消臭や一般的な除菌より難易度が高く、概ね脱臭や一般的な除菌作業の2倍程度(とてもざっくりです)の手間が必要です。具体的に何が「2倍」かというと、たとえば作業時間を2倍にしたり、作業時間を変更せずに濃度を2倍にしたりという意味です。いずれにしても脱臭や除菌というのは「菌」に対して行うことですが、ウイルスはそれよりやっかいであり、また感染対策という性質上、慎重さが求められる場面が多くあります。しかし、オゾンは塩素の6〜10倍の効果があることから今や感染対策目的として人が集まる公共の場や一般家庭など、さまざまなシーンで利用されています。

【オゾンの特徴その②】かなり広範囲の菌やウイルスに効果がある

オゾンは、アルコールや次亜塩素酸同様、かなり広範囲の菌やウイルスに高い効果があります。
また「除菌力が高い」ことと広範囲の菌やウイルスに効果があることは別の話です。
大腸菌、Staphylococcus pyogenes(化膿レンサ球菌)、Staphylococcus aureus IFO 12732(化膿レンサ球菌)、黄色ブドウ球菌、腸炎ビブリオ菌、サルモネラ菌などの一般細菌はもちろん、新型インフルエンザ(H1N1)、新型インフルエンザ(H5N1) 、ノロウイルス、そしてあの新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)など、広範囲のウイルスを不活化することが分かっています。
たとえば、アルコールはノロウイルスにはほとんど効果を示しませんが、オゾンはノロウイルスにも非常に効果が高いため、飲食店や食品工場などでも利用されています。

【オゾンの特徴その③】残留性がない

オゾンは高い除菌力を有しながらも、残留性がないことから、きわめて安全性が高いとされ、厚生労働省が指定する食品添加物としても認められています。しかし、あらゆる場面で、「残留性がない=ポジティブ」「残留性がある=ネガティブ」とは限らず、残留性が求められる現場(水道水等)というケースも少なくありません。
ここでは、客観的な事実として、「オゾンには残留性がない」という特徴があることを覚えておいて下さい。

【オゾンの特徴その④】特有臭気がある

オゾンとは何たるものかと書かれた記事は、ウェブ上にたくさん存在します。その中には、「オゾンの特徴としてオゾン特有の刺激臭がある」とされているものもあります。しかしこれはオゾンの特徴をよくご存知でない方にとっては、正確ではなく、誤解を生む表現です。より正確に表現するなら、「オゾンは本来無臭だが、不純物があると特有なニオイがする。ただし、高濃度でないかぎり、刺激臭と呼ぶレベルではない」といったところでしょうか。

ちなみに、刺激臭とはその言葉の通り、刺激があるレベルのニオイを指しますが、NEDOによる「省エネルギー型廃水処理技術開発報告書」の中で、オゾンによって人の嗅覚が刺激を感じるのはオゾン濃度0.3〜0.8ppmとされています。この濃度は業務用の「除菌レベル」に相当します。

少なくても、オゾンマートが販売する有人環境の家庭用オゾン発生器で、この濃度には絶対になりませんのでご安心下さい。

(オゾンはどんなニオイ?)
人の嗅覚には個人差があることと、そのオゾン濃度にもよりますので、一概にはいえませんが、オゾンのニオイは、次のようなニオイに近いと感じる人は少なくないようです。参考のため、いくつかご紹介します。

  • プールの消毒臭に近い
  • 酸素系の漂白剤の臭い
  • プールの消毒薬と新品のポリ容器等の臭いを混ぜたような感じ
  • 電球や蛍光灯などを割ってしまった時に一瞬周囲に漂うニオイに近い
  • 焦げたバターのようなニオイ
  • 稼働中の湯沸かし器周辺にうっすら漂うあのニオイ

また、3つ目の特徴でオゾンには残留性がないことをご説明したとおり、オゾンを発生しつづけていない限り、その臭気は徐々に弱くなり、最終的には酸素に戻るため、無臭になります。

【オゾンの特徴その⑤】濃度によっては健康被害を受ける

とはいえ、これは当たり前の話しです。何故か多くの方が思い込んでいるようですが、実はこの世の中に「安全な物質」などありません。そこにあるのは、「安全な物質」ではなく、「安全な量」や「安全な濃度」です。もちろん、水や酸素すら、濃度や摂取量によっては最悪死亡することもあります。だからこそ、業務用・家庭用に関わらず、きちんと理解したうえでオゾンを活用されて下さい。
そのあたりのことについては、「オゾン発生器の危険性と安全性を理解する」で詳しく書いていますので、是非お読み下さい。

オゾンのメリットとデメリット

さて、先にオゾンの知るべき特徴として4つご紹介しましたが、「除菌力効果が高く、厚生労働省が指定する食品添加物にも認められている安全性の高さがあるなら、良いことばかり」だとは思わないで下さい。物事には常にメリットとデメリットが存在し、それはオゾンについても同じことがいえます。客観的な視点からオゾン脱臭除菌のメリット・デメリットをご紹介しますので、それらを理解したうえでオゾンを上手に活用されて下さい。

オゾンのメリット

オゾン脱臭除菌のメリットは次のとおりです。

  • マスキング(一時的に包み隠す)をメインとする消臭芳香剤とは異なり根本から脱臭除菌が可能
  • 細菌を溶解するため遺伝子が変化した耐性菌を作らない
  • 短時間で分解され有害な残留物を残さない
  • 残留物を残さないため、使用後、洗浄や拭き取りなど作業の手間が省ける
  • オゾンの除菌効果はほぼ全ての菌に対して強力にその効果を発揮する
  • トリハロメタン等の有機塩素化合物を作らない
  • 除鉄、除マンガンが容易
  • オゾン発生器さえあればオゾンを生成するために必要なものは酸素と電気のみ(超低コスト)

オゾンのデメリット

オゾン脱臭除菌のデメリットは次のとおりです。

  • 残留性を必要とする分野(例えば水道)では単独で使用できない
  • オゾン発生器の購入がイニシャルコストとして必要
  • 物質としての有害性があるためオゾンの特性を多少なりとも理解する必要がある

イラストで簡単に理解できるオゾン脱臭除菌の仕組み

イラストで簡単に理解できるオゾン消臭除菌の仕組み

オゾン(O3)の内の1つのOが大気中の何かと反応して元の酸素(O2)に戻ろうとするときに生じる発生期の酸素(O2)が、非常に強い酸化力を持ちます。そのため、ニオイ物質や雑菌と反応することで消臭、除菌、漂白等に活用されています。

市販の消臭・芳香剤、殺菌剤・消毒剤と決定的に異なる点は、オゾンはニオイのもととなる物質を直接分解するので、きわめて高い脱臭除菌効果が期待できる点です。
また、オゾンは、電気の力を加え、人工的に作り出すことができます。
酸素原子の「O」は、「O」単体で存在することはなく、常に2つの「O」がくっついて1セット(O2)で存在しています。

酸素に電気の力を加える
酸素に電気の力を加える
電気の力で一度バラバラになる
電気の力で一度バラバラになる
O3を形成
オゾンを形成

酸素原子「O」は、すぐに別の酸素原子「O」とくっつこうとします。しかし、そのとき2つの「O」ではなく、3つのOがくっついて「O3」を形成します。これが「オゾン」です。
3つの酸素原子「O」がくっついて「O3」となるわけですが、この3つの内の1つの「O」が2つの「O」から離れよう離れようとします。これを「物質の不安定性」と言います。

菌やウイルスに酸素原子がアタック
菌やウイルスに酸素原子がアタック

2つの「O」から離れた1つの「O」は、菌やウイルスを見つけると、決死覚悟のアタックをします。
決死覚悟のアタックをした1つの「O」はその後、アタックした菌やウイルスとともに消滅します。残ったのは、2つの「O」ということになりますが、酸素原子である「O」が2つ残ってくっついているわけですから、これは「O2」ということになり、皆さんご存知の「酸素」ということになります。

つまり、オゾンを利用し、脱臭除菌をした場合、あとに残るのは「酸素(O2)だけ」ということになるのです。これが、「オゾンは残留性がないから安全である」という理由であり、だからこそ、オゾンは国からも「食品添加物」として認可されているというわけです。

オゾンの効果

オゾンの効果

オゾンには次のような効果があります。

除菌効果対象
新型コロナウイルスの不活化奈良県立医科大学によって、オゾンが新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)を不活化することが証明されています。
食中毒菌の除菌大腸菌・セレウス菌・サルモネラ菌・腸炎ビブリオなどの除菌
院内感染の予防MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)などの黄色ブドウ球菌の除菌
インフルエンザウイルスの除菌風邪やインフルエンザの原因であるウイルスを除菌する効果がある。オゾンを発生させることにより空気中のウイルスの増殖が抑えられる。新型インフルエンザ対しても効果が期待できる。H1N1型インフルエンザウイルスが不活性化されることが証明されている。
カビの防止床、壁、浴室などに発生、付着するカビに対しても、オゾンの強力な除菌力でカビ菌を死滅させ防カビ効果を発揮する。また、ヌメリや黒ずみも抑えることができる。
脱臭タバコ、トイレ、ペット、生ごみ、カビ、新建材、体臭など、嫌な有機臭を分解して脱臭する。中でも、一番気になるトイレ臭は、アンモニア、硫化水素、メチルメルカプタン、トリメチルアミンなどが主要成分であり、これらの悪臭物質は、酸素原子との反応が非常に速いため、オゾンの強い酸化力により分子レベルで分解され消臭される。また、壁、天井、床、カーテン、クッションなどに染みついたニオイの除去にも効果がある。ただし、速効性はなく短い時間で除去することはできないが、高濃度のオゾン発生器を使用すれば短時間で効果がある。
鮮度保持野菜や果物の場合、収穫後に呼吸量が増えてエチレンガスが吐き出されるため、成熟、腐敗を早める原因をつくる。オゾンはこのエチレンガスを分解し、浮遊・付着する腐敗菌、雑菌の増殖を抑えるので、鮮度が保持される。また、肉や魚などの場合は、酸化による変色抑制効果もある。
シックハウス症候群シックハウス症候群の原因で、有害なホルムアルデヒド(ホルマリン)である場合、オゾンによりギ酸と酸素に分解される。ギ酸は刺激臭のある物質だが、オゾンでさらに酸化され炭酸に変化するので、脱臭作用とともにホルムアルデヒドにも効果がある。
害虫忌避オゾンは殺虫ではなく、害虫が生息しにくい環境をつくることでゴキブリやダニ、コバエなどの繁殖を抑え、進入を防止する。ゴキブリやダニ、コバエなどがそこに近寄らなくなる、あるいは逃げていく。そのため、死骸を残さない。薬品を使わず、害虫が生息しにくい環境をつくるので、二次公害の心配がないことから飲食店等を中心にオゾンが活用されている。
オゾンの効果

美容や医療に関する情報を配信する一部のメディアでは、「オゾンで血液がキレイになる」「オゾン水で洗顔すると美白になる」「オゾン水で洗髪すると抜け毛がなくなる」「オゾンでシミが消える」などと何ら根拠を示さず、主張されていることもあるようですが、当サイトの知る限り、それらを裏付けるエビデンスは今日現在確認できていません。そもそも、そのような情報を公開しているサイトの多くは、業務用製品を家庭用としてすすめている場合もあり、大変危険です。
何も知らない一般消費者に、超高額な業務用製品を家庭用と誤解するかたちですすめ、中には決済にローンを用意している準備に抜かりがない悪質業者もいるようです。根拠や裏付けがない「オゾン(水)の効果」には、くれぐれもご注意下さい。

脱臭除菌するために必要なオゾン濃度

オゾン脱臭除菌・ウイルス不活化の効果は、高濃度なら短時間、低濃度なら長時間で得られます。「除菌するために必要なオゾン濃度」といっても、それが家庭レベルの話しなのか、あるいは業務レベルで求められる除菌効果なのかで答えは異なります。

消臭除菌・ウイルス不活化するために必要なオゾン濃度

適切なオゾン濃度」でも説明しましたが、一般的に、オゾンを利用した脱臭・除菌・ウイルス不活化効果の目安として、家庭レベルでは、0.03~0.05ppm程度で「除菌・消臭・鮮度保持効果」があるとされ、業務レベルでは0.1〜0.9ppmで「除菌レベル」、1.0ppm以上で「殺菌レベル」とされています。

オゾン脱臭除菌の利用シーン

オゾン脱臭除菌の利用シーン

オゾン発生器は、きっと一般の方が想像するより多くの業種・現場で活用されています。その理由は、少し前までは、オゾン発生器が高額で中小規模の企業や団体、施設に導入することはコスト的に難しい面があったことと、2019年-2022年のコロナによるパンデミックで一気にオゾン発生器の普及が進んだからです。

オゾン発生器の導入先は、もともと業務用オゾン発生器の需要が高かったホテルや旅館等の宿泊施設業(最近では民泊事業者も多い)や自動車関連業、清掃関連業だけではなく、不動産関連業や医療福祉関連業、ペット関連業など、多岐にわたります。

ニオイのもとは、ほとんどの場合、雑菌の増殖ですから、除菌をすることで菌が大幅に減少し、悪臭の原因がなくなり脱臭されます。またオゾン濃度が低濃度であっても、新型コロナウイルスを不活化することが証明されているように、一般家庭で常時稼働させるオゾン発生器であっても十分感染症対策になり得ます。

そして、除菌分解したあとは残留性がなく安全なオゾン。業務用オゾン発生器の場合、高濃度のオゾンを発生するため、作業中は無人環境で作業を行う等、たしかに注意点はありますが、これほどの成果(脱臭・除菌・ウイルス不活化効果)を出せる機器はオゾン発生器以外にはありません。

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